【清櫻】アガベ チタノタ セオ (Seo) の特徴と育て方｜石膏のような白棘とコンパクトな肉厚美

その名は「清櫻（Seo）」。

漢字の読み方から「キヨサクラ」と呼ばれることもありますが、正しい読み方は「セオ」です。 「皇冠」や「海王」と並び、現代チタノタ界の頂点（トップティア）に君臨する品種の一つ。

その魅力は、繊細な名前とは裏腹に、圧倒的な「重厚感」にあります。 石膏のような質感を持つ白い鋸歯（きょし）と、決して徒長しないコンパクトな肉厚ボディ。 本記事では、多くの愛好家が「上がりの一株（ゴール）」に選ぶ、清櫻の美学と、その成長をコントロールするための高度な育成術を解説します。

清櫻は、台湾の著名なナーセリー（Lize Gardeningなど）に由来する、アガベ・チタノタの最高級選抜個体です。
非常に特徴がよく出ており、市場で絶大な信頼を得ています。

特徴データ

• 株姿: 極めて「コンパクト」
• 葉形: 厚みのある「短葉」
• 鋸歯: 石膏のような「重厚な白」
• 読み方: セオ（Seo） ※キヨサクラは誤読ではありませんが、通称としてはセオが一般的です。

完成されたその姿は、まさに芸術品。 狭いスペースでも最高級の満足感を得られることから、日本の住宅事情にもマッチした究極のアガベです。

清櫻が他の品種と一線を画すのは、その独特な「質感」と「成長特性」にあります。

1. 質感の極み「石膏のような白棘」

最大の特徴は、鋸歯の質感です。 単に色が白いだけでなく、しっかりとした厚みがあり、まるで「石膏」で造形されたかのような、マットで重厚な質感を持ちます。 ツルッとした白さではなく、深みのある白。この鋸歯が肉厚な葉を覆う姿は、息をのむ美しさです。

2. 崩れない「肉厚コンパクト」

清櫻は、葉が縦に伸びにくく、常にギュッと詰まったコンパクトな姿を維持します。 葉の一枚一枚が非常に肉厚で、短い葉が密に重なり合うため、徒長のリスクが極めて低い「崩れにくい」品種でもあります。

3. 成長は遅いが「子吹き」は良い

不思議な性質として、本体（親株）の成長スピードは非常に緩やかであるにもかかわらず、「子株を吹きやすい（増えやすい）」という特徴があります。 個体差はありますが、調子が良い株は足元からポコポコと子株を出してくれます。

清櫻を育てる上で最大の壁となるのが、その「成長の遅さ」です。 元々成長がゆっくりな上に、子株が出るとそちらにエネルギーを取られ、親株がさらに動かなくなってしまいます。

親株優先なら「子株は早期切除」

もしあなたが、親株を早く立派に仕上げたいと願うなら、「子株は早期に切除（カキ仔）」することをおすすめします。 子孫繁栄よりも個体の成長にエネルギーを全集中させる（ブーストをかける）ための、戦略的な育成判断です。

もちろん、子株を増やして楽しむのも正解です。 「親株の完成度」を取るか、「株数」を取るか。この選択も清櫻育成の醍醐味と言えるでしょう。

繊細な管理をサポートする「適切な用土」や「環境構築」については、以下の完全ガイドで詳しく解説しています。

▶︎ 【決定版】アガベ チタノタ室内育成バイブル｜「こだわり育成」を実現する環境構築と必須装備

清櫻は子株が出やすい品種ですが、まだまだ入手は困難です。

• 流通: 「子株が出るなら安くなるのでは？」と思われがちですが、親株になるまでの育成期間が長いため、市場への供給スピードが需要に追いついていないのが現状です。
  
• 選び方: 人気ゆえに偽物も多く出回っています。信頼できるナーセリーのタグ（Lizeタグなど）が付いているものか、すでに「石膏のような鋸歯の特徴」が出ている中株サイズを選ぶのが無難です。

アガベ チタノタ 清櫻。

コンパクトなボディに、石膏のような重厚な美しさを詰め込んだ、宝石のようなアガベです。 手に入れるのは難しいですが、その成長を見守り、美しい棘を眺める時間は、何物にも代えがたい至福のひとときとなるでしょう。

いつかは手にしたい憧れの一株。 出会えた時は、ぜひその手に取ってみてください。

LIZE GARDENINGさん

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